出汁があふれ出てきそうな、分厚い卵焼きがサンドされた厚焼きのたまごサンドの人気が、ここ数年、広がっています。
編集部にも、この手のたまごサンドにハマって、毎週食べてるという卵好きがいます。
今回はたまごサンドとのドリンクペアリングをご紹介します。
まとめ:辛子のきいた厚焼きたまごサンドには、かぶせ茶
厚焼きたまごサンドはどこから広まった?
厚焼きたまごサンドは、京都が発祥でしょうか。
老舗の洋食店『コロナ』(2012年閉店)さんの玉子サンドは伝説となり、今では同じレシピのたまごサンドを京都の純喫茶『マドラグ』さんでいただくことができます。
先程のたまごサンド好きが訪れた際には、一見、素朴ないわゆる近所の純喫茶なのに、なんと3時間待ちだったそう。 それもそのはず、びっくりするくらいふわふわで、2度見するくらいの分厚さです。
東京の神楽坂にも出店していましたが、入店していた商業施設「la kagu」のリニューアルにあたり、閉店してしまいました。
東京では麻布の『天のや』さんが、有名人御用達ということで広まり、一躍定番のお土産に。
先日訪れた名古屋駅のパン屋さんでも、福岡でも見かけた厚焼きたまごサンド。
まさに、すでに全国区。
厚焼きたまごは本能的な魅力
もともと厚焼き玉子は、子供の頃から日本人の舌に染みついた味。 最初に食べたお寿司の具も、楽しみだったお弁当の具も、卵焼きだった方はきっと多いはずです。
幼少期の経験や体験が人生の考え方にも影響することを「原体験」というそうですが、実は食の好みにも「食の原体験」が深く関わっているといわれています。
幼少期に食べたもの、飲んだものの幸せな気持ちは後々の食事に付加価値や楽しみが加わる。
厚焼きたまごサンドも原体験がつけた付加価値は大きいのかも、しれませんね。
ふわふわのたまごサンドは、ちょっとしたおもてなしや、手土産にもぴったり。
折り詰めにぴったり収まった、たまごの芸術に、ペアリングしたドリンクを添えたら、更に美味しい記憶が生まれること、間違いありません。
厚焼きのたまごサンドとのドリンクペアリング
お店によって違うソースの味が、ドリンクペアリングのポイント。
辛子の効いたマヨネーズのお店が多いように感じます。
『天のや』さんに代表される、たまごと、昆布だしと、辛子マヨネーズ…に合わせるのは、かぶせ茶はいかがでしょうか。
かぶせ茶とは緑茶ですが、摘む前の1週間前後、茶葉をワラなどで覆い、日光をさえぎって育てたお茶です。
直射日光を遮るため、カテキンの量は通常の煎茶より減りますが、旨味の元であるテアニンが増えます。
玉露は20日ほど遮光しますので玉露ほどの旨味ではないのですが、かぶせ茶ならではの程よい旨味と甘味が、口の中で卵と昆布だしとバッチリ合わせてきます。
かぶせ茶も温度よって、旨味や甘味、渋み、スッキリさが変わります。
旨味を引き出す60-70℃くらいの温度でいただいてみましょう。
沸騰したてのお湯をカップに注ぐと10℃下がります。そこから5分ほど待つと70℃と私は記録していますが、環境やカップにもよると思いますのでこの辺は感覚で。
手でマグカップや湯のみを持てるのが70℃といった感じでしょうか。
今度、たまごサンドの箱を開けたら、ぜひ、かぶせ茶とのペアリングで、旨味広がる新しい味に出会ってくださいね!
Comments